TCFDへの対応

2050年度カーボンニュートラルをグローバルで目指す当社グループとしては、製造と製品のライフサイクルに関連するCO₂の排出量を削減していく事が重要だと考え戦略を立案して取り組んでいます。

まず、当社グループの生産時(Scope 1+2)における温室効果ガス(以下、GHG)排出量は、省エネ施策の実行と再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力への切替えで削減を行っていきます。日本では先行して2023年5月に工場及び事業所の再エネ由来電力への切替えを完了しました。海外現地法人におきましては、地域特性に鑑みて順次切替えを行っていきます。なお2023年度には、南米ブラジル拠点G-KTBにおいて、再エネ由来電力への切替えとScope1のカーボンクレジットでのオフセットによりカーボンニュートラルを達成いたしました。

次に、製品のライフサイクル(Scope1~3)におけるGHG排出量は、購入した鋼板が大部分を占めているため、より環境負荷の少ない方法で製造された鋼板への切替えの検討や、リサイクル性に優れたアルミ製品の開発と生産技術を確立することで、GHG排出量削減に繋げていきます。

また、自社加工工程におけるエネルギー使用量を削減する体制を強化し、省エネ施策の予実管理を通して、グローバルでの改善施策の水平展開を図り、GHG低減へ繋げていきます。

TCFD提言に沿った情報開示への取り組み

当社グループは、環境マネジメントをマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げ、以前より環境経営に取り組んできました。今後もTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿って、投資家をはじめとする幅広いステークホルダーへ、より積極的に情報開示を進めていきます。気候変動に伴う事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ反映し推進していきます。また、シナリオ分析や各リスクと機会の財務への影響等を検証するなど開示内容を充実していきます。  

ガバナンス

気候変動に関わる重要事項に対しては、経営企画部を担当する専務執行役員が代表取締役社長よりグローバル環境統括責任者に任命され、環境・気候変動関連リスク及び機会等を考慮した事業戦略についての上程、及びCO₂排出量の予実報告を行って推進しています。

特定した重要なリスクと機会は、環境担当役員を中心に経営企画部門にて、事業戦略や方針管理に落とし込み定期的に経営層へ報告し協議を行っています。加えて案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っていくこととしています。

戦略

当社グループの事業活動における気候変動リスク低減に向けた環境戦略は、①省エネの取組み、②再エネの活用(自家発電を含む)です。グローバルで拠点ごとに戦略の優先順位を付け、積極的に取り組んでいきます。

気候変動に対する各国、各企業の投資や規制によりモビリティのあり様は大きく変容していくと考えられます。その中で、自動車のZEV (Zero Emission Vehicle) への移行、特にEVへの移行が大きなリスクとも機会ともなります。機会では自社製品を通じた環境対応として、①車体軽量化技術(部品のモジュール化)による自動車の燃費・電費性能向上への貢献、②電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア、セルケース)事業化に向けた独自技術習得による電動車普及への貢献が挙げられ、取り組んでおります。

なお、関係の深い自動車業界の状況と社会の状況、拠点のある地域の特性などに鑑みてリスクと機会を次の表のとおり抽出し、事業及び財務の影響についてシナリオ分析をしています。IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNet Zero Emissions(NZE)シナリオにおいては、2050年カーボンニュートラルに向けて電気自動車への移行が大きく進んでいくことが想定され、当社においては軽量化技術や電動車関連製品の製造技術を他社に先駆けた手の内化が、今後の売上拡大の機会として捉えており、戦略に影響を及ぼしています。当社の事業活動における環境戦略は、①省エネの取り組み、②再エネの活用(自家発電含む)です。 自社製品を通じた環境対応としては、①車体軽量化技術による自動車の燃費・電費性能向上への貢献、②EV関係部品事業への取り組みによるEV普及への貢献が挙げられます。

リスクと機会

シナリオ リスク・機会 内容 時間軸 財務影響度
4℃以上シナリオ 物理リスク 急性 気候変動に伴うサプライチェーンの途絶による売上減少 中期
洪水や海面上昇による工場の操業停止による売上減少 中期
慢性 気温上昇より変化する職場環境の維持対応による費用増加 長期
2℃未満シナリオ 移行リスク 政策・法規制 カーボンプライシングや国境炭素税を含めたGHG排出量規制強化への対応による投資・費用の増加 短期
技術 技術対応の遅れによる失注に伴う売上減少 短期
市場 原材料(鋼板)のCN対応に伴う価格上昇による費用の増加 中期
エネルギー価格の高騰による費用の増加 長期
機会 軽量化技術による自動車の燃費・電費性能向上への貢献による売上の拡大 中期
電動車関連製品(バッテリーハウジング、セルケース、モーターコア)の売上拡大 中期
DXに伴うエネルギー使用の効率化による費用低減 短期

参照シナリオ
・2℃未満シナリオ NZE (IEA 2022)
・4℃以上シナリオ RCP8.5 (IPCC AR5)

時間軸
・短期:5年未満、中期:10年未満、長期:2050年まで

財務影響度
・小:0.5億円から1億未満、中:1億円から5億円未満、大:5億円以上

リスク管理

当社グループは、管理対象となっている気候変動のリスクと機会の項目において、グローバル環境部署と各海外現地法人の担当者や関連部署、中央環境推進委員会とディスカッションを行い、現段階で外部の方向性に大きなずれがないことを確認し、社内の対応施策の進捗状況を共有しています。

事業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、各社の環境施策の進捗状況、今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。  

指標と目標

気候変動のリスクと機会を管理する指標として、グローバルでのScope1~3のCO₂の排出量削減目標を定めています。ジーテクトグローバルで排出されるScope1・2のCO₂排出におきましては、2013年度比で2030年には50%削減、2040年には100%削減を掲げています。また、2050年にはサプライチェーンでの協力を得ながらScope1~3でカーボンニュートラルを目指しています。