精密部 精密技術課
R.I.【栃木工場】
R.I.(2018年新卒入社)
工学部 材料工学科出身。トランスミッション部品のプレス金型設計と課題改善を担当。上司・先輩の力を借りながら、幅広く深い知識が必要な課題の改善に取り組んでいる。
もともと製造業に絞って就活していたのですが、そのなかでジーテクトに興味を持ったのは、ちょうど私が入社する年に研究拠点であるGTL(ジーテクト東京ラボ)が設立されることを知ってからです。開発に力を入れていく姿勢に魅力を感じ、入社を決めました。
入社当初は開発寄りの部署に行きたいと思っていたのですが、研修を受けていくうちにモノを作る技術を知ってから開発業務に携わったほうがいいのではという風に、考えが変わっていきました。プレス技術を幅広く見てみたいと伝えたため、機械加工を含めた広い知識が必要になる精密部に配属いただいたのかなと思っています。
私が所属する精密部は、トランスミッション部品を主とした厚物精密部品を製作するための設備製作と機種推進を担当する部署です。精密部が何をやっているか、簡単に仕事の流れをご紹介します。お客様から見積もり依頼が来たらプレスから切削まで生産性や工程企画検討を経て見積もりを提出し、受注が決まれば金型・設備の設計へ。
設計ができたら協力メーカーさんに依頼し、製作してもらいます。出来上がった設備で実際にプレス・機械加工にて品質や生産性に問題がないか確認した後、製造部署へ移管するというのが大まかな仕事の流れです。
その中で私は、現在金型設計と製品の課題改善を担当しています。金型設計は文字通り金型を設計して金型メーカーさんに依頼し、納入されたものを据え付けます。プレスして設計通りに製品が加工できるか測定・確認して、機種推進あるいは金型の改善を図るのが仕事です。
課題改善は「発生している不具合や規格基準を満たしていない項目」に対して現状把握・原因調査をして対策を検討し、改善する業務です。現在は金型の寿命向上や製品の不良率削減の課題に取り組んでいます。
課題改善業務で難しさを感じるのは、プレスで量産していく中で金型や加工油を含めた様々な条件が変動し、出来上がった製品にばらつきが出てしまう事象の改善です。例えばプレスで板厚を厚くする「増肉加工」という加工種類があるのですが、何十台かプレスしていくまでに増肉具合が安定しない事象が起きます。
この原因を特定するには、ひとつの事象に対して考えられる要因をすべて挙げ、根本原因を洗い出さなければなりません。成形解析や金型・製品の測定・状態の確認など複数の手法を用いてデータを取り、それを分析・検証するというサイクルを回して改善を進めていきます。
要因特定は非常に難しいため上司・先輩に意見を聞くことはもちろん、他の部品でも同様の不具合が起きていないか精密部内で確認をし、対策を参考にしながら特定する精度を上げられるよう努力しています。
この仕事をしていて面白いと感じるのは、自分で設計した金型で製品を作り上げていく過程を一貫して業務推進できること、深くて幅広い領域の知識習得ができること、そこで得た知識と自分の考えをつなげて問題を解決に導けることの3つです。
自分の設計したものが実際に出来上がってくるときは今でもワクワクしますし、ひとつの業務をずっと担当するのではなく、幅広い領域の知識をどんどん習得していけることは自分のスキルアップにつながっている実感があります。
また、こうして得た知識がどういった出口につながるのかを知るためにさまざまなことを調べ、自分で考えたこととつなげて解決策を見つけていけるのが面白いです。私が挙げた3つの面白さに共感いただける方には、とても向いている仕事だと思います。
特に改善業務は要因特定をするために知っていなければならない知識が多岐にわたるため、知識の幅がなければ太刀打ちできません。しかし、まさにそれこそがこの仕事の難しく面白いところだと思っています。
私の感覚だと、一人で担当できるようになるまでには数年程度かかる印象です。現在の私は知識量も経験もまだまだ足りないので、上司・先輩の知恵をお借りしながら知識・経験を積んでいっています。早く先輩に追いつけるように努力を重ねていくことが、目標に到達するための近道だと思っています。
職場としての魅力は、相談しやすい環境があるところです。職場は会話が多い方ではない印象で皆が集中して仕事をしている環境ではあるのですが、話しかけづらさ等は特に感じません。会社なので上下関係はあるけれど、先輩社員とは雑談もするし気軽に相談できる雰囲気です。
一人で考えを深めることも、相談に行って助言をもらうこともできるので、両方を経験したい方なら、働きやすさを感じられる職場だと思います。
※所属・役職・内容はインタビュー当時のものです。