開発部 解析技術課
Y S.W【東京ラボ】
Y S.W(2020年新卒入社)
2014年に中国から来日。来日後は日本語学校へ通い、2015年には日本語能力試験N1を取得。その後、研究生として大学院へ入学。卒業後は、他の大学院にて機械科学を専攻し、材料力学研究室に所属した。CAE(Computer Aided Engineering:コンピュータを用いた仮装試作・仮装試験)を使った部品の解析で、ジーテクトの未来をつくる仕事を支えている。
大学院時代は、材料力学研究室で主に金属の破壊について研究していました。企業との共同研究で、宇宙飛行機用の燃料タンク製作に必要な解析に取り組んでいたのですが、就職先は日本の強みである自動車業界に絞って活動しました。
なかでもジーテクトが持つプレス技術・溶接技術は、これまで私が研究してきた専門分野に近いということ、海外展開に積極的で海外事業所も多いので将来海外で活躍できる可能性が高いこと、家族がいるので勤務地が家に近いことなどが決め手になりました。
学生時代はパソコンでの作業メインだったのですが、入社してからの研修ではジーテクトの仕事全体の流れを把握し、現場で実際にどう作られているのかを知れたので本当に面白い事業だと改めて感じました。また、これまで勉強してきた知識を体験によって深められるのも、仕事が楽しいと思う要因になっていると思います。
入社前は「日本企業=激務」というイメージでしたが、そのようなことはありませんでした。また、有給休暇も取りやすくフレックス制度があるので、自分のペースで仕事を進められます。私はもともとCAEをやっていたということもあって、生産・技術研修の後に解析技術課に配属されてからは1ヶ月の研修の後、すぐに業務に取り掛かることができました。
今は「G-TEKTのミライ」で出ていた室賀さんと同じ、構造解析チームで働いています。
今は、破断予測を担当しています。簡単にいうと、金属の破壊特性を考慮し、実験と同じような破壊現象をCAEで予測する仕事です。応力三軸度・Lodeパラメーターなどを考慮した方程式を用いて、予測をしています。
今ジーテクトは完成車メーカーさんに独自の技術を活かした「こういう構造で作れば強度が上げられる・エネルギー吸収が上がる」などの提案を目標としています。材料パラメーターの同定から部品の構造設計まで検討し、完成車メーカーに提案するのが仕事の一連の流れです。構造の工夫やエネルギー吸収で車体の強度が上がれば安全性が高まるだけでなく、車体の軽量化にも役立ちます。また、エネルギー吸収率が上がれば衝突エネルギーを吸収できますし、あえて車体を破壊させ人体の安全を優先することも可能です。
こういった課題は今の車体に求められている性能を支えるものなので、課題解決ができれば、ジーテクトが目指す提案力の底上げにつながります。
課題を解決する際には問題から要因すべてを導き出し、その要因にはどういう要素が関係しているかを調べて、原因を特定していきます。こういう風にひとつひとつの問題を解決していくことが楽しいですし、自分自身の成長にもなるのでやりがいを感じます。
要因が思い当たらない場合や参考になるものもマニュアルもない時、自力で考えて試行錯誤を行います。これは非常に難しく時間もかかるのですが、地道にコツコツやっています。
もちろん、自分の力だけでは解決できないこともあるので、上司や先輩によく相談に乗ってもらっています。経験が豊富なだけでなく、とても相談しやすい雰囲気があるので、本当に助けられています。
入社前の自分と今を比較すると、CAE技術に対する理解が深まったこと、物事に対する考え方は学者から社員に転換するのが大きな変化だと思います。
今後はまず塑性力学・有限要素法などの理論知識を深く習得し、解析・開発の経験をしっかり積んで、いくつかの開発プロジェクトを完成させることが目標です。それを技術開発と部品開発へ応用する、あるいは海外工場への赴任を経験したいです。
また、車体に使う材料を深く理解し、どんな難しい材料でも的確に予測できる状態をつくることも目標です。それができたら開発解析のプロジェクトリーダーになり、事業の方向性を考えた上で、解析技術をどのように使うかを考えたいと思っています。これには幅広く深い知識と経験が必要になるため、実現するためにはまだまだ時間がかかるかと思いますが、着実に前へ進めたいと思います。
私がこれまで働いてきたなかで感じるジーテクトの魅力は、自ら問題解決の方法を考えられ、自分の能力を最大限に発揮できる土壌が整っています。私の大学院時代の同級生は今、「先輩や上司に指示されたやり方で調査や作業をしている」と言っていました。
しかし、ジーテクトでは先輩から教わるより、まず自分で調べ、問題解決方法を探します。報告結果に対し、上司からアドバイスをもらって、また不足な所を修正する、自分を中心として問題解決するという自分の能力を最大限に発揮できる働き方ができます。一定以上の規模のある大企業でこうした働き方ができるのはなかなかないことですし、自分で考えて仕事を進められるので、自己成長が格段に早くなると思います。
また、失敗も大きな勉強になるという考えを持っている会社なので、失敗しても失敗の要因と「次はどうやれば成功できるか」をきちんと分析できていれば、ただ怒られるというようなことはありません。
若いうちから活躍し、実力を身につけたい。指示待ちではなく、自分自身で考えることを大事にして仕事をしていきたいという方に、とても向いている会社だと思います。
※所属・役職・内容はインタビュー当時のものです。